SIGMA SEVEN声優養成所

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卒業タレント

卒業生からのメッセージ

2009年1月号

吉野裕行です!

 僕が初めて“声優”の存在を意識したのは保育園に通っていた頃。 といっても「アニメのキャラクターの声は、人が演じているんだ・・」という程度の認識でしたが、違うアニメのキャラクターが同じ声だ!と思ったり、この声は好きだなあと感じたときは、エンドロールで確認していたし、自分の声を、ちょっと変わった声だと幼い頃から感じていたことも含め、“声”には敏感だったかもしれませんね。 もちろん、職業として声優を意識したのはもっともっと後のことでした。  医者、警察官、サッカー選手、保父さん・・その時々でなりたい職業はどんどん変わったけれど、高校卒業間近になって現実的に進路を考えたとき、どうせなら自分の好きなアニメかゲームの世界に関わる仕事がしたいと考えたわけです。 僕は理数系が苦手だったから制作は即諦め、そうなると声優かなあ、というくらいの軽い気持ちで専門学校に入学。 その頃は漠然とですが、本当に好きなことじゃないと納得して、エネルギーを注いで続けられないだろうということは感じていたんですね。 専門学校での1年間は、わけもわからず、ひたすら与えられたカリキュラムをこなす日々でした。本人にやる気が無ければ吸収することもレベルアップもあり得ない。明確な目的意識が無ければ誘惑も多いし、声優の仕事の単なる疑似体験で終わってしまうな、ということは実感しましたね。 卒業後は結局、ゲーム会社の下請けでデバックのバイトをしました。 ご存知だと思いますが、完成前のゲームの動作環境などをチェックする、ひたすらゲームをし続ける仕事。好きなことはしていたけれど、正直言って何の努力もしていませんでしたから当然、これでいいんだろうか・・と、思い始め、改めて自分のやりたい仕事として声優を意識するようになったのはこのデバックのバイトをして2年経った頃。 やっぱり僕には声優しかないんじゃないかって。 それで、最後のチャンスだと思いこの養成所に入ったわけです。 何故、ここに決めたかですか?同じ専門学校に通っていた人たちがここに入学して、進級、ステップアップしていたから。あの人たちにできるんだったら僕にも絶対できる!って。 感じ悪い、鼻持ちならない奴でしょう(笑)。 でもね、こういう強烈な自信も必要なんですよ。 それを本物にしていけばいいんだから。 ここの素晴らしいところの一つは、飯塚昭三さんや野島昭生さんなど、講師の方々が第一線で活躍されている“本物”のプロだということ。説得力がある反面、残酷なアドバイスもありましたけどね。 その真意は、自分が実際にプロになってみてわかりました。 先生たちの“本物”のダジャレもたくさん聞かせていただきました(笑)。 養成所時代に初めて仕事をいただいたときに、嬉しい反面不安になって「もうアルバイトを辞めていいのかな・・この仕事で一生食べていけますよね・・」って、飯塚さんに尋ねたら「少なくとも10年仕事をするまで食っていくことなんか考えるな!」って、一刀両断ですよ(笑)。 僕も含め、たいていの人がアルバイトをして、授業料や家賃を捻出していましたからね。 僕は実家から通うことができてラッキーだったけど、アルバイトが休めなくて授業を欠席するなんてことになったら本末転倒。齧れるものならなるべく親のすねを齧って負担を少なくすることをお勧めします。 そして、目的を見失わず、ちゃんと自分のことを見極め、理解した上で自分を信じること。 謙虚になって、常に足りないと感じてどん欲であり続ける精神力は必要。 自分の性格からして人間関係の難しい、縦社会のサラリーマンにはなれない!と、思っていた僕ですが、この世界は意外とバリバリの縦社会(笑)。 一つの作品を作り上げるにはさまざまな人が関わっているでしょう。 もちろん、どんな仕事でもそうなんだけど、仕事は一人でしているわけじゃなくて、人との関係を大切にして感謝しながらいい仕事をしていかなくてはだめだな、と。 そういう思いは、仕事を重ねるごとに強くなっています。 そして、よりよい仕事をする為の努力は人それぞれ、例えば1日1本映画を観る人もいれば、語学を勉強する人等々いろいろあるでしょう。 僕が学生時代に教わったのは「常にアンテナを張っていればそれだけでいい訓練になる。 日常生活の中にこそさまざまなヒントがある」ということ。 1日1本映画を観ることが大切なんじゃなくて、それで何を感じたかが大切なんだよね。 些細なことにも興味を持ち、感受性豊かに想像力を膨らませていきなさいということ。これは真実だと実感しています。 大事なこと・・まだまだたくさんあるけれど、一言で言うなら“センス”なのかな。 芝居のセンス、人付き合いのセンス、ファッションのセンス、風邪をひかない生活を送るセンス・・等々、さまざまなセンスを自分の中で育て、磨いていくことが必要なんだと思います。 目的を、そして自分を見失わず、自分を信じて進んでいくためのセンスを、経験を積みながら、ときにはジレンマに悩み、矛盾と葛藤しながら乗り越えて、身に付けていって欲しい。 もちろん僕もそうありたいと常に思っています。

吉野裕行(よしの ひろゆき)
吉野裕行(よしの ひろゆき)
吉野裕行(よしの ひろゆき)

吉野裕行
(よしの ひろゆき)

2月6日生まれ。千葉県出身。シグマ・セブン所属。『イナズマイレブン』鬼道有人役、『機動戦士ガンダム00』アレルヤ・ハプティズム役、『ヤッターマン』ヤッターマン1号、『S☆1・スパサカ』など多くのアニメーション作品、ナレーションで活躍。